広島県感染症発生動向調査による令和7年第24週(6月9日から6月15日)の定点医療機関(小児科58施設)からのA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告患者数が、北部保健所管内(三次市、庄原市)で、国立健康危機管理研究機構が示している警報開始基準値(定点当たり8)を上回りました。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の流行が今後さらに拡大する可能性があるため、令和7年6月19日、県内に「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎警報」を発令しました。
最新の流行状況
保健所別の流行状況
注) 定点当たり報告患者数とは
定点報告の対象となる五類感染症については、広島県又は広島市が指定した医療機関(定点医療機関)から、1週間ごとに患者数が報告されます(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は小児科定点の58医療機関からの報告)。定点当たり報告患者数は、これらの定点医療機関からの報告患者数を、定点医療機関数で割った値のことです。
県内保健所の流行状況 (定点あたり報告患者数)

全国及び広島県の流行状況(前5週)

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎について
- A群溶血性レンサ球菌による上気道の感染症です。
- いずれの年齢でもおこりますが、特に学童期の小児に多く起こります。
- 冬季及び春から初夏にかけての2つの流行のピークが見られます。
症状など
- 2日~5日の潜伏期を経て、突然の発熱と全身倦怠感、咽頭痛によって発症し、しばしば嘔吐を伴います。
- 感染の初期には、舌が白いコケに覆われたようになり、数日後には、苺舌と呼ばれる赤いぶつぶつが見られることがあります。
- まれに重症化し、喉や舌、全身に発赤が広がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」に移行することがあります。
- 抗生物質が有効で、服用後2~3日で症状が改善しますが、リウマチ熱や急性糸球体腎炎等といった合併症を防ぐため、処方された薬を、指示どおりに飲みきることが大切です。
感染経路
- 患者のせきやくしゃみのしぶきに含まれる細菌を吸い込むことによる「飛沫感染」、あるいは細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」が主な経路です。
予防方法など
- 患者との濃厚な接触は避け、「うがい」、「手洗い」を励行することが大切です。
- 感染性は急性期にもっとも強く、その後徐々に減弱します。急性期の感染率については兄弟姉妹での間が最も高率で、25%と報告されています。
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